しかし、現地へ近づき旭岳の姿が見えて来た時、同行者一同愕然。。
なんと、そこには雪化粧され白くなりつつある旭岳の姿が。
紅葉どころか、秋の尾根歩きの装備では登れないのではないかという状況が想定される
お山となってしまっていた。
ともかく、七合目まで行ってみようという事になり、ロープウェイに乗る。
姿見駅に着き、様子を見ていると山頂へ向かう登山者がけっこうおり、集団心理というか、
では、我々もと変に心強くなり、ともかく山頂を目指した。
山頂へは吹きさらしの尾根道を進む。
風が無ければさほど寒くもなく、逆に強風にさらされるとフードを被り、腕組みしながら寒さ
に耐えるという状況で、パーティ皆、脱いだり着たり、レイヤリングが忙しい登りだった。
山頂に着くと途中の尾根よりもむしろ寒さは緩み、しばし、下界の景色を眺めたり、登頂記
念写真を撮ったりとうだうだする。
当初、その後、予定していたコースは旭岳山頂から御鉢平へ向かい、中岳温泉経由で姿
見駅に戻るというものだったのだけど、ただ、すでに冬山となってしまった旭岳周辺。
山頂からピストンで下山しようか御鉢平へ向かおうか迷ったけど、これまた、山頂から御鉢
平へ向かう登山者がわらわらといたので、ここでも根拠の無い心強さを得て、我々も御鉢平
へ向かった。
雪景色の高根が原や御鉢平。
ずいぶん前に来た時には紅葉がきれいだった熊ヶ岳も今日はところどころ疎らに岩が見え
る雪山だ。
そんな景色の山を歩いていたせいか、道中、妙な寂寥感にかられた。
緊張感のある沢なんかを登っていると気が張っていてあまり感じない心境だけど、平坦な縦
走路を歩いていて気がゆるゆるしているせいか、あるいは茫漠とした、大雪山のスケールの
大きな景色のせいか、そんな中をとぼとぼと歩いていると、しばしとらわれた心持ちだった。
その後、中岳温泉。(野湯)
同行者達は足湯を堪能。
僕は靴を脱ぐのが面倒なので見るだけ。(笑)
なんだかんだと結果としては晩秋というか初冬というか、ともかく素敵な旭岳を楽しめた一
日だった。
初冬の御鉢平