2012年3月3日土曜日

港の氷 2012.3.3

今年初めて訪れた「港の滝」。
落差15Mほどの垂壁がある。
今回の目的はもちろん、垂壁でより戦えるようになる事だ。

さっそく、昨年、まったく戦えなかった垂壁部分でのクライミングを試みた。
ただ、最も長く垂直の壁となっているラインには上部につららがあり、落氷の危険が懸念
されたので、そのわずかに横のラインを登ってみる事に。
まず、結論から言うと昨年より随分ましに戦えた。
やはり、今シーズンを通して、徐々に難度を上げて登って来た成果は出て来ているようだ。
以下、登攀の記録。

*登攀の記録
氷の状態は中身が薄いというか密度が低い感じで、バイルの刺さりは割りと良い。
ただ、その分、スクリューによるプロテクションの効きはあやしい感じ。
定山柱のようにバイルが深くかかるような大穴は無く、バイルの刺さりが割と良いとはいえ
、確実に打ち込んで行かないと不意に抜けそうで怖い。
バイルの打ち込みは緩い傾斜より自然とシビアにさせられ、無意識にスナップを効かせ打
ち込む動作が出た。
恐々と体を上げて、支点が足元辺りまで来たらアックステンションをして次のスクリューを
打つ。
その後、垂壁から傾斜が落ちるマントル部分ではランナウトの恐怖に耐えてマントルを乗
っ越した。
安定した場所に立ち、スクリューを打ち、支点作り。
アバラコフにて懸垂下降。

以上が登ってみた所感と記録だ。
この日、思い至った結論としてはアイスクライミングでリードするという事は要はメンタルコ
ントロールの問題のようだ。
結局のところ登る技術はすでにあり、(トップロープなら落ちる気がしないのに、リードにな
るととたんに恐ろしくなるのがその証左だ。)後はいかに自分を信じて怖いという感情をコ
ントロール出来るかという事だろう。
実際、登っている際、わずかにでもランナウトして来るともうあきらめの境地というか、次の
支点を作れるところまではもう行くしかないという、自分を信じる(信じたい。(笑))心境に
なっている。
つまり、よほど技術体力的に身の丈を越えたルートでは無い限り、恐怖心を飼い慣らして
登れば良いと結論付けたい。

今後の練習の方法論としては「いざとなったら掴めるヌンチャクプリセット作戦。(笑)」での
練習が良さそうだ。
いわゆる、フリークライミングで言うところのヌンチャクがプリセット(すでにかかっている。)
されている状態で練習すれば、「やばいかも!」と思った時にヌンチャクを力強く掴める(笑
)、という若干ハードルとリスクを下げてのリードでのクライミングが出来そうだ。

今回、特筆すべき点というか印象に残ったのはバイルの振りの動作だ。
これまで傾斜の緩い壁ではあまり意識する事がなかった、バイルを振る際のスナップを効
かせた動作。
今回はそうしないとバイルがきっちり刺さらないため、自然とそうせざるをえないという感じ
だった。
この動作はますますアイスクライミングをしているという感じが実感されて、とてもテンショ
ンが上がった。(笑)

う~ん、良い感じになって来たアイスクライミング。
だけどそろそろ日中はプラスの気温。
後一度くらい行けるだろうか。
いずれにせよ、次への良いクライミングへと繋げたい。

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