2010年8月23日月曜日

またね。ボンタ。

愛犬ボンタが死んだ。

「ボンタ、ありがとう。またね。」
死にかけているボンタの額に僕の額をつけて、つぶやいた言葉だ。

なぜか「またね。」という言葉が浮かんだ。
永遠の別れなんて受け入れがたかったんだと思う。。
しばしのお別れ、あの世でまた会えると信じたいと。

ボンタが生死の境を彷徨っている数日、僕は虫が殺せなくなった。
別に普段からむやみやたらと虫を殺している訳ではないけど、仕事柄、虫がウロウロして
いると止む終えず排除しなければならない時があり、よほど配慮しないとその過程でどう
しても虫を殺してしまう事がある。
それがボンタの体調が悪くなり出すと虫の命を奪う事にとても抵抗を感じるようになった。

そんな折、クライマー山野井さんの著書に共感を感じた一節があった。
山野井さんのお母さんは山野井さんが山に入っている間、畑の害虫なども殺さないという。
その命がどんなものであれ、生命を奪う事に抵抗を感じるらしい。
著者、山野井さんも自分が命がけのクライミングをしているから、母も命というものに敏感
になっているのではないだろうかと述懐していた。

それに通ずるものか分からないけど、僕も自分の大切な存在の命が今まさに消えようとし
ている時に虫のそれがどんなものであれ、その命の火を絶ってしまう事に抵抗を感じたの
かも知れない。

14年間生きたボンタ。
食いしん坊のボンタ。
雨が嫌いなボンタ。
家族にもたくさんの幸せをくれたボンタ。
ありがとうボンタ。またね。

ボンタは雨が嫌い。