2011年2月5日土曜日

濃昼の滝 2011.2.5

前回、滝の右岸を登ろうとして敗退しているので、今回は滝の落ち口を目指し、国道より
海岸への斜面を降りた。
だいたいこの辺りかなと当りを付けた位置から斜面を降りるとすぐに沢形が目に入って来
た。
氷瀑は滝なのだから、位置的にこの沢がきっと海岸へ注いでいる滝の落ち口だろう。
沢を下るとこれまたすぐに以前目印として記憶していた立ち木を発見。
加えて、数日前に訪れたと思われる、クライマーの足跡も発見。
これはもう、間違いなくこの場所だなという確信を持ち、滝の落ち口に向かった。

滝の落ち口。
辿り着いてみるとそこには案の定、残地スリングやビナが。
懸垂下降を行うべく、僕もスリング等で支点をセット。
残地は信用ならないので、当然、自分で用意したもので行う。
懸垂下降で下降を開始。
だが想定外の状況がそこにあった。
滝の垂壁部分に差しかかる辺りで滝の下部を見下ろし思った事。

「・・・」
 ・
 ・
 ・
「・・・」
 ・
 ・
 ・
「・・・」
 ・
 ・
 ・
「滝、無くね?」

なんと、最も期待していた垂壁部分の氷が消失してしまっている事を確認。
数日前からの暖気のためか、最も太かった部分の氷瀑が崩落してしまったようだ。。
他の部分は自分の能力で登るには脆く難し過ぎるだろう。
てか、怖い。
残念だけど登る事を断念しかないな。
そう思い、懸垂で降りて来たロープを登り返す事にした。

ちなみに登り返し。
ちょっと(結果を考えるとホントはちょっとどころじゃいなのだけど。)背筋が凍る思いをした。
大雑把に書くと融けた氷瀑の間から飛んでた滝の飛沫でロープが凍り、その氷結してシャ
ーベット状になった氷にちょっと怖い目に遭わされたという事だ。
結果として登り返し時に選んだ選択肢によって、事無きを得たのだけど、もし、もう一つの
選択肢を選んでいたら…、という状況があった。(いずれにせよ、死ぬような事は無かった
と思うけど、心臓にはかなり悪い事になっていたかも知れない。)

前回に続き、今回も登れずにただ怖い思いだけをして帰って来る結果となった。。
まあ、得てるもの(アルパイン的な知識と実践経験。)はたくさんあるので、良いのだけど、
たまには普通にアイスクライミングを楽しみたいところだ。。(笑)